古地図の楽しみ

学生時代、地理や歴史は苦手で興味を持てず、丸暗記するだけの面白くない科目でした。
ずっと以前、小説家の故松本清張さんが、若い頃は貧しくて、どこにも行けなかったので地図を眺めることが趣味だったと書いているのを読んだ時も、変わった趣味としか思えませんでした。
その後、月日は流れ、幼い頃住んでいた場所の地図で見る機会があり、まるで変わってしまった部分と記憶に残る部分との対比が面白く、当時の地図を探すうち、どんどん時代を遡ることに夢中になりました。
古地図とはいえ、せいぜいが江戸時代の終わり頃までです。
本物は高価なので図書館で借りて眺めてはゆったりした家並みの中に、知っている大名の名をみつけたり、今では埋め立てられた河川をたどったりして楽しんでいます。
しかし、なかには辛い地図もあり、東京大空襲のあと、見事に建物が無い地図を見ると当時の人々の苦悩や亡くなった方の無念が心に迫ります。
便利な世の中になり、パソコンで現在の様子を見ることもできます。
ストレスを感じた時、時と場所をワープして古地図の世界に浸るのが、今では一番の趣味になりました。